―ナカメグローベル賞化学賞の受賞、おめでとうございます。面白い研究をご応募いただき、ありがとうございます。いろいろな方法で硬水、軟水にアプローチしていただいたなと思うんですけど、軟水、硬水っていうものに興味を持ったきっかけを教えてください。
朝日小学生新聞で、軟水と硬水で泡の立ち方が違うって書いてあったんですけど、最初は軟水と硬水そのものも何だか分からなくて。調べてみたら、同じ水で、だけど違いがあるなんてすごいなと思って、もっと詳しく調べてみたいなと思ったことがきっかけです。
―知らなかったことを知った時に、もう少し調べてみたいなと思うことと思わないことがあると思いますが、今回、もう少し調べてみようと思ったポイントはありますか?
今回は、ちょうど自由研究のテーマを何にしようか考えていたこともあったことが大きいと思います。それ以外の時だったら、たぶんそれほど気になっていなかったのではないか思います(笑)
―軟水と硬水を比べる方法を考えることは難しかったと思いますが、そのくらべ方のアイディアはどのように考えたのでしょうか。
思いついたものをすぐに紙に書き出して、それを全部やってみました。例えば、植物での比較は、最初は発芽だけの実験だったんですが、育ちの違いも見てみたくなったので、後で付け加えました。また、麺での比較をした後に、他のものだとどうなるんだろうと思って、ホットケーキでも試してみようと、実験しているうちにいろいろ出てきたものもありました。
―氷にしてみる実験もありました。
硬水はいろいろな物質が入っているので、凍らせると何か起こるかなと思って、それで氷にしてみました。あと、蒸発させたり、凍らせてみたりと水の状態の変化も意識していました。
―いろいろな方法を考えたり、選んだりすることは難しいことも多いと思いますが、普段から気になったことをつきつめて考えることは多いのでしょうか。
はい、いろいろと気になる方だと思います。例えば、学校の図工の時間で使ったライトは、中身が気になって、分解してみたりしました。
―今回の研究をやっていて、一番面白かった、一番楽しかったことは何ですか。
発芽ですね。軟水と硬水で発芽に差が出てくることもそうですし、育てるのも楽しかったです。普段は植物を育てていないので、とてもおもしろかったです。
―今度逆に、難しかった、大変だったなと思ったのはどういうところですか。
ホットケーキの実験です。ホットケーキは、同じ形に作る、条件をそろえるのがちょっと難しかったです。そこで、ホットケーキを垂らす量を一杯分と決めて、ずっと同じところに垂らすなど条件を統一してみました。
―ホットケーキのお話がありましたが、普段も料理とかはするんですか?
はい。料理はたまに。お団子とか好きなんですけど、食べたい時に、自分で作って食べています。ホットケーキは、土日など週に1回作るか作らないかですけど。
―実験用のお水はどのように選んだり、決めたりしたのでしょうか。
差が出やすいように、硬水は、一番硬度が高いものを選んで、逆に軟水は一番硬度が低いものを選びました。この研究をする前に、学校の地学で、別の実験をやったことがあって硬度というものがあることを知っていました。ペットボトル見ると、硬度が書いてあるので、それを参考に選びました。
―最後に、今後研究したいことがあれば教えてください。
この実験で、硬水があまり役に立たなかったんですけど(笑)、硬水には良いことがないという結果のままだと、硬水がかわいそうなので、硬水のメリットを探したいと思っています。硬水にも良いところが必ずあるはずで、メリットがなかったら硬水なんて発売しないはずだから、それを探したいと思っています。
―お話を聞かせていただき、ありがとうございました。